気泡の入らない面接着ー可視光重合プラスチック接着
アクリルやポリカーボネートなどの樹脂板を面接着します。シルク印刷、UVインジェット印刷、写真、紙、布などを密封することができます。
面接着することにより強度が増し、無気泡で接着されるため美観も損ないません。
前処理や温度・湿度などの条件の管理が難しい加工技術ですが、弊社では可視光重合接着専用の加工ルームを設けています。

可視光重合接着の特徴
美観に優れている | アクリルの接着にはつきものの「気泡」が入りません! 接着後は完全な無色透明になります。接着後も透明感は損なわれません。 クラックや白化もありません。 |
水に濡れても大丈夫 | 耐水性、耐湿性に優れています。 水に濡れても粘着剤やボンドのように剥がれることはありません。 |
強度が高い | 接着液を光で硬化させるので、強度があります。 複数の板を重ねて、何層ものブロックにしたり、厚板同士を接着することもできます。 |
密封できる | 内包物を接着液で満たして硬化させるので完全密封できます。 ※接着後に中身を取り出すことはできません。 |
接着後に加工できる | 接着後に加工することができます。 切断・切削や研磨はもちろん、貼り合わせ接着後に熱曲げ加工することも可能です。 |
屋外利用もOK | 耐光性が高く、屋外でも利用されています。黄変・劣化の少ない素材です。 紫外線(UV)に強い接着剤を使用しています。 |
製作例



看板切り文字などの面接着によく使われています。
板を積層させて厚みを出したり、色の違う板を貼り合わせることができます。
印刷面や薄いシート状のもの挟んで接着することで、印刷面等の保護にもなります。








接着できないケース
全面印刷されている、全面にシートが貼られている

可視光重合接着用の接着剤は、インクと接着性がありません。
同様に全面にシート等が貼られている場合も、接着剤が浸透せず剥離する可能性が高いです。
そのため、板全体に印刷されている場合はすぐに剥離してしまいます。
固形のものを封入する

アクリルブロックの中に物を封入するには注型と呼ばれる別の加工方法を用います。
※みやび工芸では注型は行っておりません。
ガラスとの接着
ガラスとアクリルは接着できません。
ガラスとアクリルでは膨張係数が異なるため、いったん接着しても温度差が生じた時に割れたり、剥離する可能性が高いです。
曲面への接着

曲面への接着はできません。液体の接着剤を光で時間をかけて硬化させていく方法なので、平面以外の接着は難しいです。
平面で接着した後に、曲げ加工することは可能です。
接着可能なケース

【カッティングシートの封入】
ロゴの部分がカッティングシートになっています。シートの周りに十分なスペースがあるので接着可能です。

【抜けの多いデザイン】
周りにスペースが少ない場合でも、デザイン上印刷されていない箇所があるので、接着可能です。

【旋盤加工】
アクリルブロックにミラー素材を挟んで接着した後、旋盤加工で円柱状にしています。

【印刷面の封入】
白いアクリル板にピクトグラムを印刷し、透明アクリルと接着しています。印刷されているのはピクトグラム部分だけなので接着可能です。

【接着後の曲げ加工】
平面同士を面接着した後、熱曲げ加工を行っています。

【裏に印刷】
黒の全面印刷は二層目のアクリル板の裏に施しています。貼り合わせ面はマークのみの印刷なので、接着可能です。
これまでに和紙・写真・着物の生地・布・押し花・海苔など、様々な可視光重合接着のご依頼があります。
薄いもの、封入物の周りに十分なスペースがあるものについては、おおむね加工可能なケースが多いのですが、接着剤との相性が悪いもの(溶けてしまう、化学反応を起こしてしまう、変色してしまう、など)もあります。
試作やテスト加工(料金別途)も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
テスト加工・試作承ります
・量産前に品質を確認したい
・製作にかかるリードタイムやコストを正確に知りたい
・デザインや機能の検証・評価に使いたい