塩ビ板(PVC板)とは
塩ビ板(ポリ塩化ビニル板/PVC板)は、耐薬品性・耐候性に優れた樹脂素材で、工業用途からサイン・建材分野まで、幅広く使用されているプラスチック材料のひとつです。
当社では、切削・曲げ・接着などの加工に適した塩ビ板を用い、各種部品やケースなどを製作しています。
■ 特長
- 優れた耐薬品性
酸・アルカリに強く、薬品槽や配管カバーなどにも適しています。 - 高い耐候性・難燃性
屋外使用や電気関連部品にも使用可能。自己消火性を持ち、火に強いのも特徴です。 - 加工しやすい
切断・曲げ・接着が容易で、精密な加工にも対応できます。 - 比較的安価
他の透明樹脂に比べてコストパフォーマンスに優れています。

■ 用途例
- 電気・電子機器のカバーやケース
- 薬品タンクや設備周辺の保護板
- 建築内装材(パネル、間仕切り)
- 各種工業用部品の切削加工品 など
アクリル板と塩ビ板の違いについて
当社では、用途に応じてアクリル板(PMMA)と塩ビ板(PVC)を使い分けています。どちらも樹脂素材ですが、性質や加工性に違いがあります。
- 見た目を重視する製品(透明カバー・展示用品など)には、透明度の高いアクリル板がおすすめです。
- 薬品に触れる設備・安全カバー・電気関連部品には、塩ビ板が適しています。
- 屋外使用や耐久性が求められる用途では、目的に応じて素材を選定することで、より適切な製品づくりが可能です。
特性 | アクリル板 | 塩ビ板 |
---|---|---|
透明度 | 非常に高く、ガラスに近い透明感 | やや白濁。透明塩ビでもアクリルほどクリアではない |
カラー展開 | 豊富 | 透明・白・黒・グレーが中心 |
耐衝撃性 | 割れやすい(ただしガラスよりは強い) | アクリルより柔軟で割れにくい |
耐薬品性 | 薬品に弱い | 酸・アルカリなど薬品に強い |
耐候性 | 耐候性アクリルなども有り | 耐候性もあるが、長期使用では変色することも |
燃焼性 | 燃えやすい | 難燃性だが、燃えると有毒ガスが発生 |
レーザー加工 | 可能 | 不可 |
価格 | やや高価 | 比較的安価 |
塩ビ板のレーザー加工について
塩ビ板(ポリ塩化ビニル板/PVC板)は、レーザー加工には適していません。
その理由は、レーザー照射時に有害なガス(塩化水素など)を発生させるためです。このガスは、人体に有害であるだけでなく、加工機本体の金属部品を腐食させる恐れがあります。
そのため、当社では塩ビ板の加工には、レーザーではなく切削加工(NC加工)や専用刃を用いた機械加工を採用しています。
塩ビ板のカラー展開
塩ビ板のカラー展開は、アクリル板よりも少なく限定的です。主に工業用途や設備用カバーなどの機能重視で使われるため、「実用色(白・黒・グレー)」が中心です。
当社では、主に以下の塩ビ板を取り扱っております。
- 透明(クリア)塩ビ
- グレー(スモーク)塩ビ
- 白塩ビ
- 黒塩ビ
種類 | 説明 |
---|---|
透明(クリア) | うっすらと青みがかった半透明。アクリルほどの透明感はありませんが、内部が見える用途に使用されます。 |
グレー(スモーク)系 | 最も一般的な工業用塩ビ板。半透明または不透明で、視線を遮りながら光を通します。厚みによって色の濃さが変わります。 |
白(ホワイト) | 完全不透明。サインやパネル、間仕切りなどに使われます。 |
黒(ブラック) | 完全不透明。光を通さず、電気・電子部品などに多く使われます。 |
カラー塩ビ板(ブルー・グリーン・レッドなど) | 特殊用途向けにカラーバリエーションも存在しますが、標準在庫ではないことが多く、取り寄せやロット指定が必要な場合があります。 |
※カラー塩ビや特殊仕様のご希望がある場合は、お問い合わせください。用途に応じてご提案いたします。