アクリル製品ができるまで
アクリルを中心に塩ビ、ポリカーボネートなどのプラスチック素材を加工しています。
プラスチックの板を切り出し、削る、磨く、穴を開けるなどの加工を施した後、熱で曲げたり、溶剤で接着して製品にしていきます。
これらの作業は、ほとんど手作業で行われています。成形加工とは異なり金型を必要としないので、一つからでもお作りすることが可能です。
アクリル製品ができるまでの作業工程をご紹介します。
1.切断・かんながけ
材料となるアクリル板は畳一畳以上の大きさ。厚みがあると重量も相当あります。これらを加工して製品にしていきます。
大きいサイズの部材をパネルソーで切断し、大切りした部材をヨコに並べてランニングソーで小切りにします。必要に応じてミゾ入れも行います
切断した切り口にカンナをかけてきれいにします。
2.昇降盤加工・穴加工・NC加工
昇降盤で部材を切断します。刃物を替えれば、斜め切り、角度切り、 角R加工、厚物板切り、パイプ切り、ミゾ加工など色々な加工ができます。
ボール盤で穴をあけます。
コンピュータで刃物の軌道をプログラムします。複雑で精密な加工ができます。
3.みがき
鏡面機で切り口をみがいてピカピカにします。
カーブのついている切り口はバフと呼ばれる布を使って磨きます。
4.面取り
けが防止のために、角を切り落とします。直線の面取りは面取機にて加工します。
面取機でとれない角Rなどはひとつひとつ手で行います。大変な作業ですが、安全な製品にするために必ず行います。
5.剥き(ムキ)・拭き(フキ)
材料を保護するために貼ってあったマスキングをはがします。切りくずなどのカスを落とします。これもひとつひとつ手作業で行っていきます。
6.曲げ加工
熱を加えてアクリル板をやわらかくし、角度をつけて曲げていきます。曲げ加工もひとつずつ手作業で行いますが、同じ製品は全て同じ角度になるよう熟練した職人が慎重に作業していきます。
7.接着
注射器を使って溶剤を接着面に注入します。空気が入ったり、溶剤が多すぎても少なすぎてもきれいな接着面になりません。熟練の技が要求されます。
サイズが大きいと接着も難しくなりますが、弊社では大型什器の製作実績が多数あります。
8.仕上げ磨き
端面をバーナーであぶります。切断面が磨かれる他、角がとれて安全になります。バーナーと製品との距離を一定に保ち、ゆっくりと慎重に作業していきます。
※用途によっては、クラックを防ぐために熱を加えない仕上げ方法を選択する場合もあります。
9.検査・梱包
図面通りにできているか、不良品がないかチェックします。キズが付かないようポリ袋で包みます。
アクリル製品は割れやすいので緩衝材をいれます。ダンボール箱の形状や詰め方も工夫しています。